オキシトシン(oxytocin)は、「愛情ホルモン」「絆ホルモン」「抱擁ホルモン」とも呼ばれる、とても興味深いホルモンです。人とのつながりや信頼感に深く関わるホルモンで、心と体にさまざまな良い影響をもたらします。
オキシトシンとは?
- 視床下部(ししょうかぶ)で作られ、下垂体後葉から分泌されるホルモン。
- もともとは「出産」や「授乳」に関連して知られていましたが、現在では社会的な絆や心理的幸福感にも関与していることが明らかになっています。
オキシトシンの主な作用
分野 | 内容 |
---|---|
愛情・信頼形成 | 他者への信頼感や絆、親密感を深める。恋人や家族、ペットへの愛情を強化する働きがある。 |
ストレス軽減 | コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を抑える効果があり、不安感を和らげる。 |
社交性の向上 | 人付き合いを円滑にするような、共感や協調性を高める働きがある。 |
出産・授乳の促進 | 子宮を収縮させ、出産を促進。乳腺に作用して母乳を出やすくする。 |
心拍・血圧の安定 | 副交感神経系を活性化させ、リラックス状態に導く。 |
オキシトシンを分泌させる行動
行動 | 説明 |
---|---|
スキンシップ | ハグ、手をつなぐ、肩を寄せ合うなどの触れ合い。恋人、家族、ペットでも有効。 |
信頼できる人との会話 | 深い対話や共感を伴うコミュニケーションで分泌が促される。 |
赤ちゃんやペットと触れ合う | 養育的行動や観察でも分泌される。 |
人に親切にする | ボランティアや助け合いなど、他人を思いやる行為でもオキシトシンが増える。 |
マッサージ・タッチケア | 頭や肩のマッサージ、整体なども効果的。 |
瞑想や呼吸法 | 特に「慈悲の瞑想(Loving-kindness meditation)」はオキシトシンの分泌に有効。 |
科学的な研究例(抜粋)
- オキシトシンの点鼻薬を使った実験では、人の顔の表情を信頼しやすくなるという結果が報告されています。
- 自閉スペクトラム症(ASD)の一部の治療補助として研究されており、対人関係の改善に役立つ可能性があります。
注意点
- オキシトシンは「良い感情」を高める一方で、「仲間内の絆」を強めすぎると排他的・攻撃的になる可能性があるという研究もあります。
- 分泌を無理に高めるより、自然な人間関係や思いやりの行動の中で促すことが最善です。
まとめ
ポイント | 内容 |
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呼び名 | 愛情ホルモン、絆ホルモン、抱擁ホルモン |
主な働き | 愛情、信頼、安心感を強め、ストレスを軽減する |
増やす方法 | スキンシップ、信頼関係、親切な行動、瞑想など |
ひと言でいうと…
「オキシトシンは、人と人とのつながりによって心を癒す“絆のホルモン”です。」
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