ノルアドレナリン(ノルエピネフリン / norepinephrine)は、「幸せホルモン」というより、ストレス反応や覚醒・集中力に関わる神経伝達物質・ホルモンです。人間の生存本能や感情、行動に深く関わる重要な物質です。
ノルアドレナリンとは?
- カテコールアミンに分類される神経伝達物質であり、同時に副腎から分泌されるホルモンでもあります。
- 別名:ノルエピネフリン(norepinephrine)
- 主に脳の青斑核(せいはんかく)で合成され、脳内全体に広く作用します。
主な働きと役割
領域 | 働き |
---|---|
覚醒・集中 | 注意力・覚醒レベルを高める |
ストレス応答 | 緊張、恐怖、驚きなどの反応を引き起こす(闘争・逃走反応) |
血圧上昇 | 交感神経を刺激し、心拍数や血圧を上げる |
感情調整 | 適度な量はやる気や積極性を引き出し、不足や過剰は精神不安定に |
記憶形成 | 感情的な記憶(特に恐怖)と結びついて記憶を強化する作用がある |
ノルアドレナリンが働く例
▸ 緊急事態に出会ったとき
- 心臓がドキドキ
- 血圧が上がる
- 汗をかく
- 一気に目が覚める
これは、「闘争・逃走反応(fight or flight)」として、ノルアドレナリンが交感神経を刺激して起こる現象です。
ノルアドレナリンの過不足による影響
状態 | 症状・傾向 |
---|---|
不足 | 無気力、抑うつ、集中力低下、低血圧、疲労感 |
過剰 | 不安、イライラ、緊張、怒りっぽさ、不眠、高血圧、パニック障害など |
関連疾患や医学的利用
- うつ病や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などに関係が深く、以下のような薬剤が使われます:
- SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬):例:デュロキセチン
- NRI(ノルアドレナリン再取り込み阻害薬):例:アトモキセチン(ADHD治療薬)
ノルアドレナリンを自然に整える方法
方法 | 効果 |
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適度なストレス負荷 | 仕事・スポーツなど、短時間の集中で分泌を促進 |
運動(特に有酸素運動) | 安定的な分泌を促す |
規則正しい生活 | 睡眠不足はノルアドレナリンの異常分泌を引き起こす |
食事(チロシンを含む食品) | ノルアドレナリンの材料となるアミノ酸を補給(大豆製品、チーズ、魚、卵など) |
冷水シャワー・サウナ | 一時的に交感神経を刺激し、活性を高めることがある(上級者向け) |
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | ノルアドレナリン(ノルエピネフリン) |
分類 | 神経伝達物質/ホルモン |
主な働き | 集中・覚醒・ストレス反応・感情制御 |
分泌部位 | 脳の青斑核、副腎髄質 |
不足時 | うつ状態、無気力、集中困難 |
過剰時 | 不安、不眠、緊張、パニック傾向 |
ひと言でいうと…
「ノルアドレナリンは、ピンチを切り抜けるための“心と体のブースター”」です。
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