HIV/AIDS
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)とは、免疫系を攻撃するウイルスです。AIDS(後天性免疫不全症候群)は、HIV感染が進行して免疫力が著しく低下した状態を指します。HIV感染症とAIDSは同じではなく、適切な治療を受けることでHIVに感染していてもAIDSの発症を防ぐことが可能です。
感染経路
HIVは血液や体液を介して感染します。主な感染経路は次のとおりです。
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性行為 - 
膣性交、肛門性交、口腔性交による感染 
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コンドームを使用しない場合、特に感染リスクが高まります。 
 
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血液感染 - 
HIVに感染した血液の輸血や、注射器の使い回し 
 
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母子感染 - 
妊娠中、出産時、または授乳を通じて母親から赤ちゃんに感染 
 
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症状
HIV感染の症状は、感染の進行段階によって異なります。
① 急性期(感染後2~4週間)
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インフルエンザのような症状(発熱、倦怠感、頭痛、リンパ節の腫れ) 
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筋肉痛や関節痛 
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咽頭痛や発疹 
症状が軽いため、見過ごされることが多いです。
② 無症候期(数年〜10年以上)
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自覚症状はほとんどありません 
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HIVは体内で増殖を続け、免疫細胞(CD4陽性T細胞)を破壊します。 
定期的な検査を受けることで早期発見が可能です。
③ AIDS発症期
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免疫力の低下により、通常ではかからない日和見感染症や悪性腫瘍を発症 
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例:肺炎、結核、カポジ肉腫、脳症 など 
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体重減少、慢性的な下痢、発熱なども見られることがあります。 
治療を受けていない場合、命に関わる状態になることがあります。
検査方法
HIVの感染を調べるための検査には以下の方法があります。
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抗体検査 - 
HIVに対する抗体を検出する血液検査 
 
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抗原・抗体同時検査 - 
感染初期に現れるウイルスの抗原と抗体の両方を検出 
 
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PCR検査 - 
HIVウイルスの遺伝子を検出し、感染の有無を早期に確認 
 
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感染の可能性がある行為から3か月以降に検査を受けると、より正確な結果が得られます。
治療方法
現在、HIV感染症は完治が難しいものの、抗ウイルス薬(ART:抗レトロウイルス療法)によりウイルスの増殖を抑え、AIDSの発症を防ぐことができます。
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毎日服薬することで、ウイルス量を検出限界以下に抑え、他者への感染リスクを低減 
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免疫力を維持し、健康な生活を送ることが可能 
早期発見・早期治療が重要です。
予防方法
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コンドームを正しく使用する 
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PrEP(曝露前予防内服):感染リスクの高い人が予防的に抗HIV薬を服用 
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PEP(曝露後予防内服):感染の可能性がある行為の後に72時間以内に抗HIV薬を服用 
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注射器の使い回しを避ける 
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定期的に検査を受ける 
まとめ
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HIVは早期発見と適切な治療で、健康を維持しながら生活できます。 
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AIDSは治療を受けていない場合に発症し、命に関わることがあります。 
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感染予防のためにも、コンドームの使用や定期的な検査を心掛けましょう。 
少しでも感染の不安がある場合は、早めに医療機関で相談することをおすすめします。
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