シアリスの重要な基本的注意

シアリス(タダラフィル)の添付文書に記載されている「重要な基本的注意」は、薬剤の使用に際して特に注意すべき事項をまとめたものであり、患者の安全を守る上で非常に重要です。以下に、それぞれの項目を詳しく解説します。


心血管系へのリスクについて

性行為は心臓へのリスクを伴うため勃起不全の治療を開始する前に心血管系の状態に注意をはらうこと。

解説:

  • 性行為は軽い運動に相当する心拍数や血圧の上昇を伴う活動であり、心臓に負担がかかります。
  • 特に以下のような人は、性行為自体が命に関わるリスクを生じる可能性があります:
    • 心筋梗塞・狭心症の既往
    • 重度の心不全
    • 重篤な不整脈
    • 最近の脳卒中や心筋梗塞(過去90日以内 など)
  • シアリスは血管拡張作用があるため血圧を下げる可能性があり、心血管系疾患を悪化させることがあるため、事前の評価が必要です。

対策:

  • 投与前に心電図や既往歴の確認を行い、心臓に対する負担に耐えられるかを医師が判断する必要があります。

持続勃起(プリアピズム)のリスク

4時間以上の勃起の延長又は持続勃起が外国にてごくまれに報告されている。…直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。

解説:

  • 持続勃起(プリアピズム)とは、性的刺激とは無関係に4時間以上勃起が続く病的な状態です。
  • この状態が6時間以上続くと、陰茎の血流が妨げられ、組織が壊死して永続的な勃起障害を引き起こす可能性があります。
  • シアリスは通常安全ですが、極めて稀に血流異常や異常な神経反応によりこの副作用が生じることがあります

対策:

  • 患者には「4時間以上勃起が続いたらすぐに病院へ」とあらかじめ指導する必要があります。
  • 早期治療(注射・穿刺など)により回復可能な場合が多いため、迅速な対応が鍵です。

視力障害のリスク

急激な視力低下又は視力喪失が現れた場合には服用を中止し、眼科を受診させること。

解説:

  • PDE5阻害薬全般で、視神経の血流障害(NAION:非動脈炎性前部虚血性視神経症)が稀に報告されています。
  • 突然片目の視力が落ちる、あるいは視野が欠けるといった症状が起こることがあります。
  • 原因は完全には解明されていませんが、血管拡張や血流変化との関連が疑われています。

対策:

  • このような症状が出たら即座にシアリスの使用を中止し、眼科受診を指導する必要があります。
  • 視力障害を自覚したら放置せず、速やかな対応が視力の回復につながる可能性があります。

めまい・視覚障害と危険作業への注意

臨床試験において、めまいや視覚障害が認められているので…注意させること。

解説:

  • シアリスは血管拡張作用があるため、一時的な血圧低下や脳血流の変化により「めまい」や「視覚のぼやけ」が起こることがあります。
  • 特に初回投与時や、他の薬との併用時に発生しやすいです。

対策:

  • 車の運転、工場での機械操作、高所作業などは慎重に
  • 「服用後にめまいや見えづらさを感じたらすぐに休む」「その日は運転を控える」といったアドバイスが重要です。

まとめ表

項目 内容 指導ポイント
心臓へのリスク 性行為で心臓に負担がかかる 心血管疾患の有無を確認
持続勃起 4時間以上の勃起で損傷の恐れ 4時間超えたら即受診
視力障害 突然の視力低下・失明の恐れ 症状が出たらすぐ眼科へ
めまい・視覚異常 車や機械操作に支障 服用日には注意喚起

 

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