シアリス(タダラフィル)とCYP3A4阻害薬との相互作用に関する重要な注意事項です。
■ 要点の解説
1. CYP3A4とは?
- CYP3A4(チトクロームP450 3A4)は、肝臓や小腸に多く存在する酵素で、体内に入った多くの薬を代謝・分解する役割を持ちます。
- シアリス(タダラフィル)も、このCYP3A4によって代謝されて体外に排出されます。
2. CYP3A4を「強く阻害する薬剤」とは?
- これらの薬はCYP3A4の働きを妨げてしまうため、タダラフィルが代謝されにくくなり、体内に長く残る(血中濃度が上がる)という問題が生じます。
- その結果、副作用(頭痛、ほてり、血圧低下など)のリスクが増加します。
3. 代表的なCYP3A4強阻害薬
以下のような薬剤が該当します:
分類 | 例 |
---|---|
抗真菌薬 | ケトコナゾール、イトラコナゾール |
HIVプロテアーゼ阻害薬 | リトナビル、サキナビル |
抗生物質 | クラリスロマイシン |
C型肝炎薬 | グレカプレビル、ピブレンタスビル(併用)など |
4. 記述内容の詳細解釈
「CYP3A4を強く阻害する薬剤を投与中の患者では、本剤の血漿中濃度が上昇することが認められている」
→ これは、代謝が抑制され、タダラフィルが体内に長く・多く残ることを意味します。
「低用量(5mg)から開始し、投与間隔を十分にあける」
→ 最初は最も少ない量(5mg)から慎重に始める必要があります。
→ 血中濃度が通常より高くなるため、通常の10mgや20mgをいきなり使うと危険。
「10mgを投与する場合は投与間隔を48時間以上」
→ 仮に10mgまで増量したとしても、次に服用するまで2日以上あけなければならない。
→ 通常は24時間間隔でよいが、この場合は48時間間隔が必要ということです。
「なお、投与量は10mgを超えないこと」
→ 20mgは禁止。タダラフィルの蓄積が強くなりすぎて、重篤な副作用(血圧低下、視覚異常、長時間勃起など)の危険があるためです。
■ まとめ
状況 | 対応 |
---|---|
CYP3A4強阻害薬服用中 | シアリスは5mgから慎重に開始 |
効果が不十分で10mgに増量 | 投与間隔を48時間以上空けること |
上限 | 10mgまで。20mgは禁止 |
投稿 シアリスの用法及び用量に関連する注意 は メプラス - MEPLUS に最初に表示されました。